福岡は家具の町大川から参加の「ちびくまのおみせ」のご主人とお話する機会がありました。
先日のクリドで84's実輝弥氏に私と似たようなこだわりがある人だと聞かされました。確かに年末のイベントでお隣同志でちょっとだけお話したとき「似たようなことを考えている人」という印象を持っていました。

「売るに当たって技術のことを話してたんじゃ売れませんよ」
こう言われたのです。
そりゃ、小難しい技術の話をしたのでは売れるものでも売れないでしょう。
「ここでは売る方のプロでないと」

作る時は技術者であってもいざ販売の場に来たのなら「売るプロ」でなければならないのは当然だと思います。これは多くの作り手が勘違いしやすいことではないかと思われます。お客様にとってのメリットは必ずしも作り手が考えているメリットと同じではないからです。
ともすれば苦労して作ったものが売れなくて、そうでもないものが売れたりすることも事実。当たり前ですけど、作りたいものが買いたいものである保証なんかないのですよ。

でもね、じゃあ「売るプロ」とはなんぞ?
声掛けをすること?
作品を熱く語ること?
知らん顔をすると悪い気がするので話し掛けずに見ている?

どれもダメだと思います。
究極のことを言えば「客の立場」になれば何をすれば良いのか分かると思います。
それを感じ取ることが売る側のプロだと思います。

行われた場所はガレリア竹町とセントポルタとの交差点にあるドーム広場です。かつては盛況だった商店街も今ではシャッターが下りた店舗があり、以前のような活況は見られなくなっています。街中も以前のような求心力は郊外型ショッピングモールに軸足を移して久しく、それがPARCOの撤退を象徴しているように思えます。
商店街は戦後に復興とともに発展したと言われています。その原型は小さな露天商などが交通の要所など人々の多く集まる場所に形成され、都市流入者の生活基盤を支えるだけでなく郊外からこれらの商店街に行くことは娯楽と思われていました。
これらの商店の接客は「常連客」に対応したもので、小売業における接客はこれによって完成したと考えられているようです。
しかし、その後、こうした商店街や百貨店が衰退していった理由はモータリゼーションによる購買行動の変化だけではないように思われます。
現在は実店舗に行かなくてもネットでショッピングができる時代です。こうした時代に、常連の客と同じような接客は濃密過ぎて敬遠されるように思われるのです。
実際に物産店などで試食があっても手が出し難い経験がありますが、その心理には「買わされるのではないか」という不安があるから手が出し難いのです。
お客様からすれば「ゆっくり見て吟味したい」というのが本音だと思うのですね。

こうして考えると、気楽に冷やかしができる店は安心感があり警戒心が少なくなります。実際に店先の冷やかしやすい商品は売れやすいとも言われています。
何もアクションを起こさないのも接客と言えるかも知れませんね。
もちろん接客の常識は最低限できる上での話ですが。



** イベント参加予定 **


【大分ものづくり発見市】
日時:6月26日(木) 11:00~16:00ごろ(18時までには完全撤収)
場所:大分市中央町2丁目5-3セントポルタビル1F
   (トキハインダストリー若草公園店軒先)


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