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水は何にも伝えない


本日も「書けない」華音社長に代わりましてIKEAがお送りいたします。

社長の記事でも少し勘違いというか、私の記事の内容を誤解しているように思われます。

>体にいいものだけを食べる

すべての食事には意味があるのでは、というのがこの一連の記事の根底にあるはずです。すなわち「体に悪いものを食べろ」とも「この食品は体に悪い」とも言っていません。
私たちが食べるのはすべて生きて行くためであり、どの食事にも意味があるのだから特定の思想によって不自然な食事をすれば健康どころか生命の危険すらある、と言いたいのです。提唱している人や実践して広めようとしている人がいくら「効果があった」と言っていても、そこに不自然な根拠や思い込みがないか信用できる機関の記事と照らして真偽を確かめる必要があるのではないでしょうか。

そのために必要なのが科学的なリテラシの感覚や論理的思考だと思うのです。

ある例を挙げておきたいと思います。

学校で一時期『水からの伝言』(江本勝著,波動教育社)というフィクションを真に受けて、先生方がこの講和を生徒に行う社会現象が起きました。それが一部で道徳の教材で取り上げられるようになると、一種の社会現象になります。この現象は今から5年以上前の話ですが、たまにその後も信じている人に出会うことがありました。

話を要約すれば「良い言葉や優しい言葉を使いましょう」ということなのです。
では、それが何故いけないのか、と言うと、それがまるで科学を「装った」作り話だからです。学校で仮にも教師が「似非科学」の作り話で道徳的に正しい講和をしても良いということにはなりません。何故なら、そこは「教育現場」だからです。理科教育の大事さ、を教えなければならない教師が「結果オーライだから良いではないか」としてしまうのは、教育者として失格です。

子ども達は純真ですから、その話に感動すれば「先生の言うことだから」と信じてしまうでしょう。しかし、いつかはその話が「偽物」だったと知ることになります。その時、純粋に信じていた子ども達はどう思うでしょう。

信じた自分が馬鹿だった。先生は嘘をついた。

こういう気持ちを持ってしまうのではないでしょうか。それは、せっかく道徳の時間で学んだ「他人を思いやる気持ち」の根拠が壊れる時ではないでしょうか。
水に関する話は本当になんで?と思うほどおかしな話が多いのですが、それというのも表面的に装った科学のような「仮面」を見抜く能力が私たちに足りなさ過ぎるのが原因だという印象が拭えません。

私は人々が理論より「感情」を優先して物事を決めることが少なからずある、ということを良く行うのだと最近まで知りませんでした。東北大震災について、ある人と話をしていたときに、その根拠が間違った認識に基いていると感じ説明したときのこと。「それ以上難しいことは解ろうとも思わないし、解りたくもない」と言われた時、とてもショックを覚えました。
私にとって解らないことは「解りたいこと」だったからです。違うと言うなら、徹底的にいくら時間が掛かっても理解するまで食い下がる私の性格からすると、それはまるで「異星人」に出会った気分だったのです。自分に都合の良いことだけ聞き、都合の悪いことは聞かない人がいるというのはTVの中の作り話だと思っていたからです。

私はこうした似非科学の類が何故、安易に信じられてしまうのか、という問いについて単に「良いことが書いてあるから」ではないような気がしてなりません。そこにはある種「断定」というか「白黒をつけた話」があるからではないのでしょうか。
多くの人は私も含め迷っています。
そこに曖昧さを感じさせない明瞭な言い切った言葉は、時に心の不安を取り除いてくれるものなのです。彼等はそれを良く知っています。だから心の弱さに着け込んでくるのだと思うのです。

しかし私は言いたいのです。学問とは非常に歯切れが悪いものだと。それが最先端のものであればあるほど歯切れが悪くなるのが理系の学問だと私は思います。歯切れが良いのはすでにそれが研究され尽くして覆りようのない事実だからです。

だからです。

条件によって異なる結果が出そうな商売のことや、病気によって異なる医学のことを、いとも簡単に「こうでしょ」と訳知り顔に言う人間を疑いなさい。
疑いまくって正しいと判断できるようになってからでも信じるのは遅くありませんから。


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