ハンドメイドのイベント会場。そこには多くの作家が集う。
その中でも華やかさを演出するのはアクセサリの数々。
だがそれらを支えているのは各種の什器である。
九州大分県。そこに什器を製作する作家集団があった。
これは新たな什器開発のドラマである。

アクセサリ作家を救え ~奇跡の什器物語

限界に挑む
什器の鬼と呼ばれた男
立ちはだかるコストの壁
これはダメだ
諦めかけた時一筋の光が見えた

いい加減この風味やめます。実際問題、こういうパロディやノリは書いている本人が思うほど面白くないからです。(という割には引っ張りましたが)

*Clear*がこれまで多く製作してきた「ピアスディスプレイスタンド」は大変好評です。軽いだけでなく作品を掛けたまま持って行けるので設置や撤収が楽だというのです。
しかしこの什器は元々、室内で後ろに壁があるような場所で使うことを前提にして作られたものでした。
イベントは必ずしも後ろに壁があるところで行うとは限りません。室内でも会議用テーブルに載せて展開すれば後ろにいる作家さんも丸見え。屋外となれば尚更そうしたシチュエーションは望めなくなります。

一方でこのディスプレイスタンドの発展型としてボックス型の什器をかつて製作しておりました。それは製作する方ではなく一般のユーザーの方からの依頼でした。購入した時の台紙がなく、数が増えて管理に困っているとのことで、台紙もオリジナルで製作するので、こんな特殊な取り付け方だったのです。しかし販売什器となると手に取ったお客様が戻し難く、その改良型として生まれたのがこの什器でした。カラーも今までと違ってかなり濃い色としたのは、ワイヤークロッシェのような光り物の場合、白い色より映えるからです。

今回作った什器はこれらの要素を取り入れたものです。
特に*Clear*ではイヤリングのウェイトが大きくなったこともあり、今までの奥行きより深いものの需要が出ていました。今回の什器では従来のものより11mm増えて30mmとしました。
ワイヤーもシングルになっているので金具の干渉が極めて少なくなりました。

今回の新型什器は限界まで大きく作っています。
理由は会議用テーブルを一台の什器で半分まで埋めてしまえることでした。それと壁のエフェクトを演出することです。撮影用に使ったテーブルはキャンプ用の折り畳みテーブルで、サイズは1,200mm×600mm、高さは700mmです。そこに高さ600mmのこの什器が載ると1,300mmに達します。この高さは照明や換気扇などのスイッチの高さに相当します。

実はお客様というのは店側の人を意識しています。見られている、というのは店側からすると万引き防止や破損防止の効果が期待できます。でもお客様は冷やかしができないので近付きたくなくなるのです。
店の人がいることはわかっていても、壁のような什器があることで安心して冷やかすことができるようになります。誤解を恐れずに言えば万引きしやすいようなお店の方が人は入りやすいということです。
ハンドメイドの場合、一般小売のように意図的にコミュニケーションを減らす必要はないかも知れませんが、やはり話しかけるかどうかの判断は難しいものですし、作品の説明をしなくても売れるときには売れるものです。
論より証拠。百聞は一見に如かず。まず画像をご覧いただきましょう。

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白いボックスと黒いボックスが合体して、閉じるとトランクのようになります。私たちはその姿からオセロと名付けました。白背景の方が映えるもの、黒い背景が映えるものそれぞれを一台の什器で展示してしまおうというわけです。
一面の幅は450mmあります。シングルのワイヤーだとアクセサリの重みで弛んでしまうので、真ん中に支えとなる仕切り板を入れました。それはピアス作品とイヤリング作品を分ける役目も兼ねています。
この大きさですから収納力も1面当たり36組、全部で144組という途方もない数になります。仮に平均1,500円の売価だったとしてこの什器の販売力は216,000円です。それだけの商材を現地で並べ、終わったら仕舞うなんて想像できますか。私ならごめんです。
この什器は持って来て展開するだけで設置が終了。終わって撤収も元通りにするだけで終了。オープンタイプのディスプレイスタンドの美点をこの什器もしっかり受け継いでいます。しかもクローズドボディなので普段の管理もこの什器にお任せです。
私が什器作りで最も求めているのは販売力だけでなく、売る側の負担の軽減です。道具を使わずに組み立てられ、その仕組みがスマートであること。そしてできるだけ単純で低廉にできることです。この什器の価格は25,000円を予定していますが、先に挙げた216,000円で考えますと什器価格の比率はは11.6%にしかなりません。短期に十分回収可能な価格と思われます。

ところで今回のイベントまでにすべての段を埋められるほど製作するのは無理がありました。そこでネックレスを空いた所に掛けました。実はネックレスも運搬の時にワイヤーの後ろに入れることでヘッドの破損を防ぐことができ、掛けたまま設置ができることがわかりました。

発明は必要とされるから生まれるのだ、と言われますが、私の什器もこうして色々な要望が寄せられるからこそできるのだと思います。今回の作品を試作しようと思ったのも先日お買い上げくださったビーズの花束様からのお話から作ることになりました。私の能力を引き出してくれているのはお客様です。決して私一人の力ではないと考えています。

さてもう一つアタマを悩ませている案件があります。先日ご相談されたブックスタンドです。これをシナベニヤの組み合わせだけで作れないかとスケッチ中です。これも今週には何かの提案をしないと。


** イベント参加予定 **


【クリスマスアートマーケット vol.21】
日時:12月20日(土)10:00~16:00
場所:大分市アートプラザ 2F アートホール



【ひだまり。あみもの展vol2】
日時:1月18日(日)10:00~15:00
場所:TOSハウジングメッセ




本日は弁当用の唐揚げがなくなりそうなので「*Clear*名物鶏の唐揚げ」です。
作って冷凍保存するために定期的に定番の鶏の唐揚げが夕食になります。ま、みんな大好きな鉄板メニューですから弁当がなくても作るんですけどね。