以下、ちょっと真面目な木工作りのお話。

めんどくさくない方のみお読み下さい。



設計に入ると様々な部品をどのように組み合わせるか考慮しなければなりません。
考えてみると少ないようで随分多くの材料を使用していることを思い知らされます。
木材にしても荒材から製材してプレーナー加工すれば、
市販規格にない寸法の材料を作ることだってできてしまいます。
設計する上で市販材料の規格から図面を起こすのが加工の最も近道ですが、
残念なことに公称値と実寸が必ずしも一致しないだけでなく、
店頭で書いてある寸法が大雑把なこともあるのだから困るんですよね。
どういうことかと言うと一番いい例がSPFの1×4 6フィート材です。
店頭での表示はミリ換算で19×90×1820ですが、実寸(本来の仕上げ寸法)は
19×89で長さは1フィートが304.8mmなので1828.8mmとなり何と8.8mmも長いんです。
しかもホームセンターによっては1830mmなどと戯けた寸法を表示している場合があるんですから
困ったものです。その寸法は保障みたいなもので少し長めになっているに過ぎません。
MDFが5?延び寸なのと一緒です。


たかが8.8mmですが、されど8.8mmです。


これで泣くことあるんだから。


例えば450mmの材料が欲しい、とします。
1820を単純に450で割って4本取れると考えた人はq( ゚д゚)pブーブーブーです。
本当に表示通りの1820mmと思っていたなら3本になるはずです。
理由はですね切断に使う刃物の厚さ分短くなるから。
一般的な切断機(昇降盤、テーブルソーなど)の標準刃は厚さが3mmあります。
(僕は2mmの刃を使ってる)
つまり450じゃなくて453mmで割らなきゃならないんですね。
それで計算すると4本取って残りが8mmだと思うじゃないですか。
これもワナでSPFの両端は切り口が荒れているので使えません。
5mm程度はカットするので逆に2mm足らなくなります。
実際には1828.8mmあるので4本取れるんですが、最初に材料の拾い出しとコストを出すには
実寸を知らないと決定的なミスを犯しやすいということになります。
ムダに材料を買ってしまうだとか、取れないのに取れると思って足らないだとか。
後者は足りなくてまたホームセンターに走る分、時間もエネルギーも更にムダ。
エコじゃないよね。

SPFに限らず他の材料も乾燥で痩せている材は
公称値より1mm以上小さくなっている場合があります。
プレーナーの精度がマチマチっていう問題もあるようですが。
SPFって結構寸法が安定してるんだよね、不思議。

日本の尺が非常にフィートと近いこともあって、
現場でもあまり違和感がなく広まった2×4工法によって急速に浸透したSPF。
SPFっていう材料は比較的軽量で強度もあり木目もキレイな材が取りやすく、
加工性もいいので悪い材料だとは思いません。第一、あの安さは尋常じゃありません。
ただ決定的な欠点があります。
虫が入りやすく水に大変弱い性質があります。屋内で使用するならいざ知らず、
屋外やそれなりに水分が触れるもの(靴箱とかだろうね)ならそれなりの対策を講じないと…





腐ります!!(゚Д゚ )アラヤダ!!





古物のパイン材家具で虫食い穴があるのはその所為。
だから極力避ける材料でもあるのですが、価格が何といっても魅力的でw
ですので使う時は場所や腐食対策をしっかりしてやります。
この辺、知ってるのと知らないのではかなり差が出るんじゃないだろうか?

まぁ、一番避けてる理由は最薄手が19mmで小物を作るには向かないから。
せいぜい200mm前後の大きさが鑑賞に堪えられる大きさだと感じるし、
それより小さい作品で材厚が19mmもあるのは資源のムダ。
ケースバイケースで使い分けるっていうのもエコですよん。

で、板幅の誤差1mmはどうなったのか?
棚やテーブルで板接ぎして作ることって頻繁にあると思うんですが、
板接ぎした枚数が多くなると、どんどん思っている寸法と開いてきます。
5枚接ぎだと5?誤差ですから、うっかり棚の受け木を450mmで切ると、



長いっ!_| ̄|○



それでまた切り直すって、やっぱりエコじゃないよねぇ(笑)



最終的には材料個別の誤差が出るので現物に合わせて製作するしかないのですが、
やはりちゃんと計画して製作するのと、カット&トライでやるのとでは
失敗率も材料のムダも随分違います。というかほとんど失敗がないです。
因みに木工図面はJw_CADを使用。Auto CADも持ってるけどこれは専ら機械設計用。
寸法に公差が入るわけではないのでJw_CADで十分。(この辺Autoはいいね)
で、Excelに渡してコストと材料を算出し、ここで問題があればCADへフィードバック。
もう図面演習で問題を潰せたら半分はできたも同然なんです。
参考資料としてはJISデータベースをよく用います。
ボルトやビスの検索には必需。強度区分なんか間違えたらシャレにならないですから。
それでも出てしまうのが端材だけど、これはこれで使い道があります。
治具(じぐ)の材料もありますが、小さめの端材はFクランプを掛けるときの養生だとか
(クイッククランプは不要)、穴あけ作業の捨て木だとかちゃんと使命を全うして行きます。
結局、端材はなくちゃ困るものなんです。