作品を制作する前に、必ず図面を描くのが僕のスタイルです。
木工屋としての宿命だと思っています。
高校時代から図面を描いている身としては慣れていますが、紙からCADになっただけでも随分と楽になりました。
さて、図面を描くと様々なメリットがあります。

ムダの少ない材料取りができ、調達がスムーズ
製作コストが計画時にかなり正確に算出できる
どう考えても作れないような加工が避けられる
必要な治具や工具がこのときに選定できる
予め製作プロセスをシュミレーションしているので作業がスムーズ
加工ミスが減る

描かないメリットより、どう考えても図面を描いてから作業する方のメリットが上回っています。
では、そのメリットだけで描いているのか、というとそれもちょっと違います。
作品の原図はアタマの中のイメージです。それを具体的にする作業が図面です。
理想像があって、それを現実にするにはどうすればいいのか、そんな感じでしょうか。いや、朧気なイメージが図面上でハッキリとすることだってあります。

Lecran du coin

前にイベントでくろちゃんから
「こんなん作らんの?」と言われたラック。
病み上がりで気分が乗らず、どうしてもカタチにならなくて描きかけていた図面。あまりに実用的なイメージがアタマから離れず放置していたもの。
しばらく現実逃避して「画家のアトリエの片隅にあったとしたらどうだろう」
そう考えるとみるみるイメージが沸いて来た。アイデアが沸いて来た。
作りたくなってきた。

そして何よりも大事なこと。

カタチになった時に美しいか。

美しくないものは作りたくありません。
わがままでしょうか。
製作作業が動の闘いならば、図面は静かなる闘いなのです。
そして仕上げには今回も新たな試みを行う予定です。
そして思い通りにできたらニヤニヤするのですよ?
あまりにツボなできだと売りたくなくなる、ってあるんですけど。
みなさんはどうです?