日曜日はふれあいPTAと竹宵。
おまけに朝、雨が降って泣き出しそうな空。
こんな日は作業がストップしてしまう木工屋の天敵。
PTAの間、携帯をマナーモードにしていたので解除しようとポケットから取り出すと不在着信の点滅が。
誰だろう、と見ると先日の三輪さんです。
電話を掛けると先日のお礼とまた相談したいことがあるんだそうです。
電話の内容で大体は想像できたのですが、会って聞かないことには詳細がイマイチ掴めません。とりあえず、展覧会用ではない、ということなので明日の朝一で伺うことにしました。

開店時間の少し前に伺うと既に店員さんにはハナシが通っていたようで店内に案内されました。
待っていると草柳先生が到着したので早速打ち合わせに入ります。
先生が持っていたのは12mm厚のMDFを100mm角にカットしたもの。加工材として売られているものを購入されたのでしょう。これに針金を立てたものを芯にしてクリスマスアレンジの材料としたいというもの。ただ重量をもう少し重くしたい、というのですが、さすがにこれくらいの厚さでは有効な方法は材料を厚くするくらいしかありません。そもそもベースが重くても針金がある程度動くのでビクとも動かない状況は生み出せそうにありません。
材料を15mmにして少し大きさを大きくしましょう、というのが僕の提案。立方体は三乗比で大きくなるので僅かなサイズアップでも重量が大幅にアップするだろうという目論見です。フラワーデザイン教室で使うので30個必要。
確か材料はウチの家具を作った時の半端材料が残っているはず。
「トコロでいつ使われるんですか?」
「とりあえず明日の教室で10人分」

えっ!?今何と…
明日って聞こえましたが?
あ?聞き間違いじゃぁないんですね、明日ですね。

それってメチャクチャ急ぎの仕事じゃないか?

急がなくっちゃ!

工房に戻って材料を漁ると記憶通り15mmMDFのカット残りで大判がありました。単価を弾き出して連絡し承認を頂く前に既に作業開始。在庫持ち出し+加工費なのでできる技。
明日の10個だけなんて生易しいことはしません。一気にやっつけてしまいます。
テーブルソーでバシバシ挽いてバタバタセンター墨出して(急がなくっちゃ!)
番線は#12だけど何故か実測は2.85mm。φ3キリでガンガン開口(急がなくっちゃ!)
番線をゼリー状瞬着で接着してグルーガンで補強(とにかく急がなくっちゃ!)

nouhin1109.jpg

流れ作業的に30個完成!
精度いう仕事じゃなくて良かった。

ところでMDFって何だ?と思ったアナタ。
MDFつうのはですねMedium Density Fiberboardの略で中密度繊維板と言います。聞き慣れない名前ですが木質繊維を原料とするファイバーボードの一種で、身近な場所に数多く使われている材料です。
最近の主材はラジアータパインが多く、カラマツやスギなどの針葉樹に加え建築廃材も使われています。伐採から再生まで短時間の樹種で製造されるため環境負荷が小さいとも言われています。
他にもファイバーボードにはパーティクルボードやOSBボードなどがありますが、MDFは原料の木材を細胞レベルまで分解裁断して合成樹脂接着剤を加えて加熱圧延によって整形するため、表面だけでなく木口も平滑で、部位による強度のバラつきがなく非常に強度があります。接着剤の種類にも拠りますが比較的水には強く常に水に触れているのでなければ、水分や湿気による反りや寸法変化がほとんど起こりません。
密度が0.35g/cm3以上0.8g/cm3以下のものがMDF、それ以上はハードボードと区分しています。
家の建具や家具は無垢を指定していなければ中の骨組みはこのMDFと思って間違いありません。スピーカーボックスの材料もほとんどがコレ。
市販の家具の中身はMDFで骨組みを作って2.5mmのベニヤ板をエアタッカーで貼って木目が印刷された紙化粧かメラミン化粧板を接着する、いわゆる太鼓構造とかフラッシュ構造に突き板の組み合わせです。窓枠や木質幅木の中身もMDF。ミサワのMウッドも確かこれに近い素材だったと記憶してます。
日本はベニヤが主流ですが、環境問題に敏感なヨーロッパではMDFが建材の主流になっています。細胞レベルまで裁断するということは従来捨てていた部分まで材料に使えるのでムダが少ないのです。これは大きな一枚板が取れなくなっていることと無関係ではありません。
反面、欠点なのは木という素材を用いながら素材感が全くないのと、とにかく重いこと。
家具の材料は18mmが多かったのですが、買って持って帰るだけでケイン・コスギ並に「ファイトーー!( ゚д゚)乂(゚д゚ )イッパーーツ!!―」と気合を入れなければなりませんでした。
持ってみればわかりますが、カラダがリポDを欲する材料です。