昨日はガレリア竹町ドーム広場で行われた「CREDO」に参加してきました。
この季節としては気温が高く、雨模様にならなければ穏やかな小春日和の一日だったことでしょう。そのお陰で午後からは人通りも増え、お客様対応にアタフタする一幕も。
出店する側も、美術活動が生業のメンバーを中心としてスタートしたイベントとあって、他のジャンルもプロ志向の強い人が多くクオリティは高くなっています。
こういう人たちはビジネスやモノヅクリに対しての信条を持っているからなのか、話が一本筋の通ったところがあり共感できるものが多くあります。
今回は人脈での意外な発見もあったり、盛り沢山の一日でした。

さて、今回は写真を何にしようと思って考えていました。
私、以前から他の人のブースを撮影して掲載することを避けています。そういうことって多くの人がやっていますし、画像を羅列して「こんな感じでした」というのも芸がないと感じていたからです。

「看板は前にやったしなぁ」
「おっ!あれがあったじゃないか!」

F40.jpg

ガレリアにあるテナントビル。その1階にガラス張りのスペースに展示された真っ赤な”フェラーリF40”

以前は246GTが展示されていたこともあります。

このF40はフェラーリ創設40周年を記念して製造された「スペチアーレ」(スペシャルのイタリア語ですよん)
文字通り、デザインの一部には、ベースとなった308シリーズの面影が見受けられるものの、中身は半楕円鋼管のチューブラーフレームのカーボンを始めとしたシャシを貼り合わせたセミモノコック構造になっており、基本的には60年代からのフェラーリ製レーシングカーと同様の作り方。
搭載されるV型8気筒32バルブ3リッターのエンジンは2基のターボチャージャで武装し、出力は480馬力以上。パワーアシストなどが全く用意されず、車体重量はわずか1100kgですから、そのパフォーマンスはレーシングカーそのもの。公式に市販車で最高時速300km/hを超えた最初のマシンでもあります。

自動車のブログではないので詳しい話は他所で見てもらうとして、このクルマの別のお話をさせていただきます。
フェラーリがF40を発売した時期は1987年でした。その頃、日本はあの狂乱のバブル経済に突入していました。不動産バブルと言われ、土地や建物などの資産価値が一気に跳ね上がり、関係ないものまでその影響が及んでいました。
その中のひとつがフェラーリなどの高級車でした。
当初は”40”に引っ掛けて限定400台生産する予定でした。いざ注文の受付をスタートすると予想を遙かに超えるオーダーが入ってきました。原因はバブルで沸き返っていた日本からの注文です。
フェラーリの得意先はアメリカ。それに次ぐ顧客は何を隠そうこの日本ではありましたが、フェラーリが想定していた注文数を超えてしまっていました。
フェラーリは当初の予定を変更して生産台数を増やし異例の1,300台を超えるF40が生産されました。名車250GTOが僅か39台しか作られなかったことからしても異例中の異例です。
これでは普通のフェラーリと変わらない生産数で何がスペチアーレなのか(笑)

日本からのオーダーはスポーツカーを嗜好する一般購入より、価格の高騰を目的にするブローカーによる買い付けが多く、実際F40の新車価格は4,650万円だったのに対して日本では一時2億円以上で取引されていました。私が保険会社の査定表を見せてもらった時は1億4,500万円でしたから、2億は誇張ではないとおわかりでしょう。
日本に上陸したF40は59台と記録されていますが、これは正規輸入の分だけで並行輸入が含まれていません。実質的には全体の1/10程度は輸入されたのではないかと言われ、一体どれくらいの投機マネーが動いていたのか。
奇妙なことにランボルギーニなどその他の高級スポーツカーのお値段も倍の価格で流通するという夢のような、いや異常な時代でした。

私はこういうのもおかしいと思うのです。
明らかに適正価格から外れていますし、恐らく本来の新車価格でも十分利益が出ているものに対しての付加価値にしては異常です。事実、バブルが弾けてそうしたブローカーはあっという間に淘汰されていきました。
日本人は「限定」に弱いとの印象があります。このF40の時も「もうこういうクルマは出ない」とか「今だけ」という言葉に乗せられまんまと価格の吊り上げに成功したんですね。
こういうのがウソだったのはその後F50やエンツォ・フェラーリが販売されたことで明白ですやん。

勘違いしないで欲しいのは、この一連の「対価」というお話の本質は、一体どこに適正価格はあるのかということです。
たとえば我が社の華音社長が得意とする編み物。
麻紐バッグを作るのに3日掛ったとします。実動8時間で3日だと延べ24時間。
大分県の労働最低賃金は664円と定められていますから15,936円プラス材料費が適正価格とならなければ、労働基準法にも違反しているのですよ。

みなさん、この価格で売れると思いますか?
私は難しいと思います。
一方で3日のものを少しでも短い時間で完成させる努力が必要です。
そうすると意識は何日から何時間、1分間に何目編めるかと変化して行きます。仕事ですからスピードとクオリティが両立できるだけの腕前が要求されるのは当然じゃないでしょうかね。

一方で適正価格はお客様が決めるものだ、というのも正しいでしょう。
お客様は非常に賢いですから、自分にとって高いか安いか、必要か必要でないか瞬間的に判断していきます。厳しい審美眼に曝されていると言えますよね。
それで購入していただけたときの基準が「安いから」ではなくて「良いものだから」という理由で買って下さった方が気持ちが良い筈です。
昨日も、以前お買い上げ下さったお客様が再購入下さいました。
こういうことがご褒美です。

より良いものをできるだけ低価格でご提供する努力が必要なのは言わずもがな、安い理由に正当性のあるときは良いですが、漠然としてくるとただの体力勝負になって結局、売り手にとっても買い手にとっても不利益なのは、この長いデフレ経済が教えてくれているじゃありませんか。

安易に趣味で稼げたらいいな、という気持ちで「作家」などと持ち上げられてみたものの、冷静に振り返ってみるとトータルではトントンどころか大赤字ということが珍しくないのがこの世界だという事実を知ると、普通の神経では恐ろしくてできないのではないでしょうか。
そうなると情熱だけでやるのか、プロ志向で徹底するのか水と油ほど明暗をわけるのも腑に落ちないでしょうか?

小遣い稼ぎが目的なのであればね、良い方法がありますよ。
パートでも何でもいいから雇われて働くことです。そっちの方が楽で効果的です。
これ本当ですから。

これでこのようなテーマ、一回お開きとさせていただきます。
私たちはかなりのヲタクと自負していますから「趣味」でやっている人を軽んじたいのではありません。むしろそういう人々が羨ましい立ち位置にいます。その中にも趣味という言葉に甘えながらながら「売上」も気にする人がいることがいることで書いたのです。
それって矛盾していることですよ。

しかも一部には生活を支えるためにこうした活動をしている人もいることは忘れてはいけないと思います。様々な立場の人がいるんだと。
商売は売る側だけでなくお客様も、生産者も、それに係る人々全てが利益があることが理想です。そういう中に自己満足だけを押し通すことはあまり褒められた行為ではないでしょう。
少なくとも私の眼にはそう映っている、と申し上げて終わりたいと思います。



** イベント参加予定 **


【大分ものづくり発見市】

日時:2月1日(土) 11:00~20:00
場所:大分市中央町2丁目5-3 セントポルタビル1F(トキハインダストリー若草公園店軒先)